石垣島のエコロード

石垣島のエコロード


2024年 04月 03日

47都道府県のだいたいで自転車に乗ったり、スノーボードをしたり、美味しいものを食べたりしたことがあるのですが、今では数少なくなった埋まっていない場所は沖縄県でした。

去年の12月、ANAがスーパーバリューセールを行うというのを知り、なんとなく漠然と国内で飛べる大阪から一番遠い所へ行こうと思って選んだのが石垣島でした。なんなら石垣島に空港があることすら知りませんでしたが、とりあえずは3ヶ月以上先の往復チケットに¥28,070を払ってあとは忘れました。

3ヶ月というのはあっという間に過ぎるものです。京都でグラベルを走った翌日、関空から飛び立ちました。実は直前あたりで面倒になってきて、チケットを払い戻して大阪でじっとしていようと思っていたのですが、前日の京都が雪混じりの豪雨で、あまりにも寒かったので俄然この旅を決行する方に傾きました。

3月下旬を選んだのは偶然だったのですが、素晴らしい天気に恵まれました。石垣島の何が良いって、新石垣空港から市街地が近いことです。そもそも島のサイズが小さいのでレンタカーすら借りる必要がなく、空港から数km自走して白保というエリアのゲストハウスに向かったのですが、ここがなんと4泊して¥17,652です。

主な目的は島の北部にある10kmほどのグラベルロードを走ることでした。写真は玉取崎展望台からの眺めです。当日に下調べをせずに走って、現地で検索してグラベル起点の情報を得る始末だったのですが、この方が意外性があって面白いのです。基本的に水や補給は取れない、ケイタイの電波は弱い、ということだけ分かっていたので心配はありませんでした。

これは後日知った情報ですが、かつてこのグラベルは平久保牧場林道と呼ばれており、一部の愛好家には有名だったようです。2013年に石垣市がこの林道をベースにして観光資源とするため1億8千万円をかけて整備を開始、2021年に完了してエコロードと命名しました。当時の報道に使われた写真を見るとジムニーが走っていたり、クルマでも走破できそうなグラベルだとミスリードされそうな内容なのですが、どうやら実際にレンタカーで突入して大変なことなった事例が多発しているようです。

グラベルバイクで実際に10kmを走って分かったことですが、木や草が生い茂っていて、左右の幅、高さの面でも普通乗用車では走れないだろうな、と思う場所が多く、木の枝で激しくボティを撫でられても気にならないような、ボロボロの軽トラなら走ってもいいかなという感じでした。2021年に開通してから荒れ始めている場所もあるはずです。つまりハイクかバイクか馬しかこのエコロードを全走破する手段はないのです。

 MTBが最も確実に、安心安全に走れる車種だとは思いますが、石垣の町から40kmほどグラベルの起点となる明石という町まであるので、この距離をMTBで移動するのはそれだけで大変なライドになるので、一般レベルの足の持ち主には難しいです。しかも、北端の平久保崎灯台からまた40km走って戻ることになるので、総ライド距離は80kmを超え、そのうち10kmほどがグラベルということになります。

そう、こんなライドこそグラベルバイクの出番なのです。僕はファストライド的にグラベルを走るのが好きで、なるべくバッグ類は装着せず、ミニマムなスタイルをとります。この方が全体的なバイクの重量が軽くなるのでパンクのリスクが減るのと、より速く走ることができるので未知のグラベルをアクセスがしやすくなります。

これはオレゴンの廃線跡を転用したグラベルを走った時に得た知見で、そのルートを走るにはツーリングスタイルのラックやバッグなどを装着するとパンクしやすいのと、その名もバンクチャー・ヴァイン(ハマビシ)と呼ばれる鋭い棘を持つ草の実が多数路面に落ちているため、通常のブチルチューブではすぐにパンクするため、シーラントで自動的に修理されるTLRが推奨されていたのです。

これはエコロードの北側終点から平野ビーチまで来たところです。マジで石垣島の海はすごいんですよ。海開き以降であればエコロードを走破してからそのままこのビーチで体を冷やすことだってできます。 

 平久保崎灯台からの帰路でやや後輪のタイヤがヨレると感じていました。舗装の移動が多いので、グラベルでエア圧をあえて落とさず3気圧ほどで走ったのですが、もしかするとビードからエア漏れたのかもしれないと思って気にしませんでした。ところが、翌朝にトレッド面をじっくり見るとシーラントが自動的にパンク修理した跡がありました。念の為、大阪に戻ってからベーコンを刺したのですが、今は完璧にエアを保持してくれています。

詳しくは今回の旅で4本の動画を制作したので、ぜひ見てください。

今回はCANYONさんから最新のグレイルをお借りしたので、当たり前のことですが最高でした。ぜひこのグレイルを買うべき、と言いたい所ですが、手持ちのリムブレーキに28Cを履かせたり、26インチのMTBでもいいので、まずは石垣島に行ってエコロードのゲートを開いて欲しいです。メディアが絶対に言わないことですが、ホイールをアルミからカーボンにアップグレードする予算があるなら、それで旅に出てください。

結局のところ、島から戻った頃にはカーボンのホイールを履いたディスクブレーキのグラベルバイクが欲しくなります。

 

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